「え?蔦子さん、写真に写るの苦手なの?」
 目をまん丸にして驚く祐巳を見て志摩子は自分の失言に気がついた。

 外でお弁当を食べていたのだが、天気があまりに良かったので祐巳が、
 「カメラがあれば写真に撮るのにな。蔦子さんもたまには風景とか撮ればいいのに」
 「そうねぇ・・・それに、自分が撮られること苦手なのも、もったいないわね・・・」
 後半の、誰に言うともなしにつぶやいた言葉を祐巳は素早く聞きつけた。
 言ってしまった言葉は取り消せない。
 志摩子は「ちょっと聞いたことがある」と簡単に説明した。

 「ふぅーん。意外だなあ。どうして写りたくないんだろう?」
 「さあ・・・」
 志摩子は言葉を濁した。
 どうにかして話題を変えなければ。
 祐巳さんたちには内緒だと言われていたのに。
 蔦子さんの秘密を全部喋ってしまうわけにはいかない。
 と、志摩子はあることを思い出した。
 「もしかして、迷信を信じているのかも」
 「迷信?」
 「ほら、真ん中に写った人は魂を抜かれるっていう」
 「蔦子さんが迷信・・・信じられないけどなあ」
 しまった、あまり逸らせなかったか。
 志摩子は早く予鈴が鳴ることを願った。

 「あ!!!」
 突然、祐巳が叫んだ。
 「ど、どうしたの祐巳さん」
 「ねえ、真ん中の人は魂抜かれるんだよね?じゃあ私も?」
 「・・・え?」
 「だって、ウァレンティーヌスの贈り物(後編)の表紙、私、真ん中だもん!」
 「え・・・?」
 「ねえ、どうしよう。対策のおまじないとかないのかな?」
 祐巳はいきなりオロオロと顔面蒼白で慌て出した。
 その様子を見た志摩子は、
 ―――話、なんとか逸らせたみたい。
 そして袖を引っ張ってくる祐巳に笑顔で、
 「迷信、迷信」
 と言ってお弁当を片付け始めた。
 ちょうど予鈴が鳴り始めた。
 「今祐巳さんは生きて私と一緒にいる。・・・それじゃダメかしら?」
 「・・・ダメじゃない」
 少し唇を出した形で祐巳が言うと、志摩子はほっと息を吐いた。
 「予鈴が鳴ったわ。行きましょう」
 先に歩き出した志摩子の後を追うために、祐巳は慌ててお弁当を片付け始めた。
 「あ、志摩子さん、待って〜!」


 ところで。
 物陰からフラッシュが焚かれたことに、二人は全く気づいていなかった。





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 これはもう二次創作なのかどうか・・・。
 三次創作?(笑)
 絵にするともう少し面白かったんだけどな・・・文章力がないってことでカンベンして下さい・・・。
 こういう迷信、信じてる人ってやっぱりいるんでしょうね。私は気にしないのですが。
 猫が顔を洗うと雨、みたいな。ちょっと違う?

 オチについて。
 蔦子さんはいつでもどこでもシャッターチャンスを狙っています。
 気をつけて下さいね(笑)


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