「祐巳さん、あの写真約束通り展示させてもらうね」
 「うん、いいよ」
 「でさ、ちょっと拡大したいんだけど。いい?」
 「?別にいいけど・・・?」
 「ありがと。じゃ、当日見に来てね」

* * * * * * *



 当日祐巳が写真部作品がの展示されている教室に向かうと、なぜか教室の外にまではみ出るほどの長蛇の列ができていた。

 (・・・・・・?)
 家庭部のお菓子にならこれだけ並んでいてもおかしくはないが、写真部でなぜ列ができるのだろう。
 気になるのは、祐巳と目が合うとみんな何とも言えない、微妙な表情をするのだ。
 (もしかして、拡大された私の顔がすごいマヌケとか・・・・・・?)
 不安を抱きながら教室の前で入りあぐねていた祐巳の耳に蔦子さんの声が聞こえてきた。
 「はい、撮りますよ―――」

 蔦子さんにこの行列の理由を聞いてみようと足を踏み入れて、固まった。
 祐巳の視線の先にはあの写真、の、等身大パネル。
 しかも祐巳の顔のところはくりぬかれている。
 テーマパークなどによくある、「顔のところに自分の顔をはめて記念撮影」というやつだ。
 「な・・・・・!!!???」
 「あ、祐巳さん」
 蔦子さんが祐巳に気づいて手を上げた。
 祐巳は物凄い速さで蔦子さんに迫った。
 「つっ、蔦子さん!?あれっ、何っ!?」
 「ああ、こうした方がみんな喜ぶかなーと思って・・・・・」
 祐巳にガクガクと激しく揺さぶられながら蔦子さんが答える。
 「だからってそんな!!」
 「苦情は後で聞くからさ。ごめん、見ての通り混んでるから。じゃね」
 そそくさと蔦子さんは戻っていった。

 確かに「拡大」するとは言っていた。祐巳も許可した。
 けど、これってあんまりじゃない?
 てゆうか蔦子さん、それ全然「ちょっと」なんてものじゃないよ。
 だって等身大じゃない。
 ひどいよ、ひどいよ。

 頭の中でぐるぐる考えながらふらつく足取りで、祐巳は列の最後尾に並んだ。





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 SS一作目。みなさんよくご存知の、すべての原因となった例の写真ネタ。
 一番最初に四コマで書いたネタでもあります。
 まあアリガチで恥ずかしいんですが、四コマ自体は気に入ってるので文章化してみました。
 せっかくの学園祭だし、この位やったって・・・・・ダメですか(笑)
 モゲラの学校は飲食店(模擬店てゆうのかな?)禁止だったので、桜亭は永遠の憧れです。


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