Lie




・・・やあ、久し振り。
元気にしてた?




――うん、まあまあかな。
こっちの生活にも慣れてきたし。



・・・大丈夫だよ。
君の方は、変わりない?


ははっ。それなら良かった。



――ああ、今度のパーティーなんだけど。
折角だけど行けそうにないんだ。


――本当はメッセージだけ送ろうかと思ってたんだけど、
 久し振りに声が聞きたくて。






―――――忙しい時にごめん。





いいんだ。もう切るから。
メッセージ、パーティーに間に合うように送っておくよ。




―――おめでとう。
それじゃあ。







電話を切ったはるかの手元には、みちるからの葉書。

そして、丁度パーティーの日を含む一週間に「オフ」と記されたカレンダー。
欲しかったものは、一つだけ。








変わらない温もり。







あの日。






月の光を背負って立つキミは、本当に眩しかった。







あんな時でも、僕はキミに見惚れたんだ。









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